「ところで、6月26日のニュースに『コロナ退院時、検査で陰性確認不要の理由』という記事がありますが、なぜ不要になったのですか」と町会長。

「その記事には、なんて書いてあるのですか。」

「厚生労働省が退院基準の段階的な見直しを行っている。症状のある患者の退院基準は発症日から10日間に短縮され、必須だったPCR検査による陰性確認が不要になった」と書いてあります。

「多分、WHOや米国のCDCがそうするように言っているのではありませんか。」

「おっしゃる通りです。『世界保健機関(WHO)の基準改定などに準じて改めた』と書いてあります。WHOなんかを信じていいのでしょうか」と町会長。

「WHOの言うことが信じられない時は、CDCのサイトを見て、どう言っているか調べるしかありませんね。」

「その記事には『世界中で研究が進み、発症7日程度でウイルス量や感染性が低下し、10日でウイルス量がゼロになる』とも書いてあります」と町会長。

「なるほど。そこまで研究が進んでいるのですね。」

「その記事には『新型コロナウイルスが感染性を失うメカニズムは明らかになっていない。感染後期の患者から検出されるウイルスは残骸や構造的に不完全な状態で感染性を失っていると考えられる』と書いてあります。」

「なるほど。感染後期の患者の新型コロナウイルスが感染性を失うのは、進化論的には考えられることです。」

「その記事には『明らかになっていない』と書いてありますが」と町会長。

「それは、『医学的には明らかになっていない』という意味です。」

「なぜ、進化論的には考えられることなのですか」と町会長。

「先ほど話したように、新型コロナウイルスはRNAウイルスなので、複製ミスを修正する機構が備わっていないため変異が激しいということが、感染後期の患者から検出される新型コロナウイルスが感染性を失う基本的な原因になります。」

「新型コロナウイルスが人間に感染すると、生体内で生き残るための生存競争で、他の人に感染する能力が高いものより、感染力は低くても体内で増殖しやすいように進化したものが生き残るためですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、それだけでは、『感染後期の患者から検出されるウイルスは残骸や構造的に不完全な状態』という説明には不十分です。4月14日に『SARS-CoV-2は長時間安定』という記事があります。」

「SARS-CoV-2は、変異が激しいのではないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、4月14日の時点では、SARS-CoV-2に感染力がある期間が問題になっています。」

「SARS-CoV-2に感染した人が触れた物についたウイルスが、何日ぐらい感染力があるかというのが問題だったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/7/1

<ムクドリ46>
『長老雀というよりは信玄雀と言った方が似合っている』という意味は、『第二百四十八話』で『三方ヶ原戦役画像』の話の裏を読めないと理解できないかも知れない。

家康が、武田信玄との『三方ヶ原の戦い』で大敗したのは、信玄の計略に引っかかってしまったからだ。信玄は足利義昭の織田信長討伐令を受け、2万7千の軍勢とともに京に登ろうとした。途中の三河には織田信長と同盟関係にある徳川家康がいた。

信玄は、家康の出城や砦を破竹の勢いで攻略し、難攻不落と思われた二俣城(ふたまたじょう)攻略も、天竜川に大量に筏を流し、二俣城に水がくみ上げられないようにして攻略してしまう。水がなくては、戦うどころか、生きていくことさえできない。

二俣城を攻略されると、家康の本拠地、浜松城を守る砦はなくなってしまう。ウィキペディアの『三方ヶ原の戦い』によると、家康の軍勢は15,000だ。27,000の軍勢とまともに戦っても勝てるはずがない。そこで、家康は籠城(ろうじょう)して、持久戦に 持ち込もうとする。<続く>

2023/6/14